文献:戦争責任・戦後補償

発行
年月日
書名 編著者 発行所 所蔵
600210 戦争責任 竹内好・吉本隆明・村上一郎・竹内実・橋川文三 春秋社 5
75081501 天皇の戦争責任 井上清 現代評論社 5
75111501 戦争責任論序説 大沼保昭 東京大学出版会 5
77030101 現代史におけるアジア−帝国主義と日本の戦争責任 荒井信一 青木書店 15
77081501 あるB・C級戦犯の戦後史−ほんとうの戦争責任とは何か 富永正三 水曜社 5
82081505 反核と戦争責任−「被害者」日本と「加害者」日本 岩松繁俊 三一書房 125
85053001 東京裁判から戦後責任の思想へ 大沼保昭 有信堂 5
85071901 戦争責任 家永三郎 岩波書店 5
86031511 反核と日本の戦争責任−1985・12・7シンポジウム記録集 反核1000人委員会
89041501 民衆の戦争責任 高橋彦博 青木書店 5
89051501 長崎市長への七三〇〇通の手紙−天皇の戦争責任をめぐって 径書房編 径書房 5
89072010 戦争責任を訴えるひとり旅−ロンドン・ベルリン・ニューヨーク 富山妙子 岩波書店 1
90070101 現代史における戦争責任−現代史シンポジウム 藤原彰・荒井信一編 青木書店 5
91120501 日系アメリカ人−強制収容から戦後補償へ 岡部一明 岩波書店 5
91122502 キリスト者の戦争責任と平和運動 キリスト者平和の会編 かもがわ出版 5
92072004 朝鮮植民地支配と戦後補償 戦後補償問題連絡委員会編 岩波書店 5
92072503 戦後補償を考える−アジアの声第6集 国際フォーラム実行委員会編 東方出版 5
93060103 憲法Bunko―平和・戦争責任・戦時補償 平和のための大阪の戦争展実行委員会;日本機関紙協会大阪府本部共編 日本機関紙出版センター
930720 浄土真宗の戦争責任 菱木政晴 岩波書店 5
930728 戦争責任の受けとめかた−ドイツと日本 加藤周一 アドバンテージサーバー 5
94031001 戦後世代の戦争責任 加藤周一 かもがわ出版 5
94073001 日本の戦後補償 日本弁護士連合会編 明石書店 5
94081501 宗教者の戦争責任懺悔・告白資料集 日本宗教者平和協議会 白石書店 5
94091501 ハンドブック戦後補償(増補版) 内海愛子・越田綾・田中宏・飛田雄一(監修) 梨の木舎 5
941225 戦争責任と戦後責任−祖父の罪を孫が償うのか 望田幸男 かもがわ出版 5
95031501 50年目の戦争責任 破防法研究会 星雲社 5
950420 もう待てない今こそ戦後補償を! 高木健一 凱風社 5
9506200 キーワード・日本の戦争犯罪 小田部雄次・林博史・山田朗 雄山閣出版
95062002 弁護士がみた戦後補償と人権 村山晃 部落問題研究所 5
950707 戦争と平和の事典−現代史を読むキーワード 松井愈・林茂夫・梅林宏道・渡辺賢二・吉池俊子・綿引光友・伊藤田直史 高文研
95081509 在韓被爆者が語る被爆50年−求められる戦後補償 韓国の原爆被害者を救援する市民の会 5
95121501 PEACE!PEACE!PEACE!わたしたちに戦争責任はないのか 日本戦没学生記念会(わだつみ会)編 情況出版 5
960310 戦争責任Vol.4−特集:50年目の責任 アジアに対する日本の戦争責任を問う民衆法廷準備会編 樹花社 5
96080104 在韓被爆者が語る被爆50年−求められる戦後補償<改訂版> 韓国の原爆被害者を救援する市民の会 5
96081503 戦後世代の戦争責任 田口裕史 樹花舎(発行所)・星雲社(発売所) 5
97072503 現代歴史学と戦争責任 吉田裕 青木書店 5
98022501 戦争責任−過去から未来へ アジアに対する戦争責任を問う民衆法廷準備会 緑風出版 5
98031501 季刊戦争責任研究NO.19 日本の戦争責任資料センター 5
98061501 季刊戦争責任研究NO.20 日本の戦争責任資料センター 5
991210 戦後責任論 高橋哲哉 講談社 5

戦争責任・戦後補償問題と原爆被害 1997.12.16

戦争責任(文献)

*竹内好・吉本隆明・村上一郎・竹内実・橋川文三:戦争責任−現代の発見第3巻、
 春秋社、1960
*井上清:天皇の戦争責任、現代評論社、1975
*大沼保昭:戦争責任論序説、東京大学出版会、1975
*荒井信一:現代史におけるアジア−帝国主義と日本の戦争責任、青木書店、1977
*富永正三:あるB・C級戦犯の戦後史−ほんとうの戦争責任とは何か、水曜社、1977
*岩松繁俊:反核と戦争責任−「被害者」日本と「加害者」日本、三一書房、1982
*家永三郎:戦争責任、岩波書店、1985
*径書房編:長崎市長への七三〇〇通の手紙−天皇の戦争責任をめぐって、径書房、1989
*富山妙子:戦争責任を訴えるひとり旅−ロンドン・ベルリン・ニューヨーク
  (岩波ブックレットNo.137)、岩波書店、1989
*藤原彰・荒井信一編:現代史における戦争責任−現代史シンポジウム、青木書店、1990
*キリスト者平和の会編:キリスト者の戦争責任と平和運動(かもがわブックレット44)、 かもがわ出版、1991
*菱木政晴:浄土真宗の戦争責任(岩波ブックレットNO.303)、岩波書店、1993
*加藤周一:戦争責任の受けとめかた−ドイツと日本(ブッックレット生きる5)、
 アドバンテージサーバー、1993
*加藤周一:戦後世代の戦争責任(かもがわブックレット67)、かもがわ出版、1994
*日本宗教者平和協議会:宗教者の戦争責任懺悔・告白資料集(宗平教ブックレットNO.1)、 白石書店、1994
*日本戦没学生記念会(わだつみ会)編:PEACE!PEACE!PEACE!わたしたちに戦争責任はな いのか、情況出版、1995
*吉田裕:戦後歴史学と戦争責任、青木書店、1997
[「戦争責任論の現在」1.時効論、2.同罪論、3.戦後世代の責任論]
*田中伸尚:「戦争の記憶」−その隠蔽の構造−国立戦争メモリアルを通して、緑風出版、 1997

「アジア、太平洋地域の戦争犠牲者に思いを馳せ、心に刻む集会」
(1986年、第1回−)の記録
戦争犠牲者を心に刻む会編:アジアの声(シリーズ)、東方出版
1.侵略戦争への告発(1987)
2.侵略戦争の証言(1988)
3.日本軍のマレーシア住民虐殺(1989)
4.日本軍はフィリピンで何をしたか
5.証言・清算されていない朝鮮支配(1991)
8.731部隊
9.南京大虐殺と原爆(1995)
10.私たちと戦争責任(1996)
11.私は「慰安婦」ではない−日本の侵略と性奴隷(1997)

6.戦後補償を考える(国際フォーラム実行委員会編、1992)
7.世界に問われる日本の戦後処理@−「従軍慰安婦」等国際公聴会の記録
(国際フォーラム実行委員会編、1993)
 .世界に問われる日本の戦後処理A−戦争と人権、その法的検討
(日本弁護士連合会編、1993)
戦後補償(文献)

アジア太平洋地域戦後補償フォーラムの記録
第1回、1991年8月
*戦後補償国際フォーラム実行委員会編:戦後補償を考える−アジアの声第6集、
東方出版、1992
第2回、1993年8月
*戦後補償国際フォーラム実行委員会編:戦後補償実現のために、
梨の木舎
第3回、1994年8月
*戦後補償国際フォーラム実行委員会編:もう待てない、今こそ戦後補償を!、
凱風社、1995

*日本弁護士連合会編:日本の戦後補償、明石書店、1994
*内海愛子・越田綾・田中宏・飛田雄一(監修):ハンドブック戦後補償(増補版)、
 梨の木舎、1994。

日本の戦争責任資料センター:季刊戦争責任研究、1993.9−

1.特集:従軍慰安婦問題を検証する
2.特集:731部隊の実相に迫る
3.特集:侵略戦争にみる捕虜虐待・虐殺
  特集:突きつけられた「従軍慰安婦」問題
4.特集:「従軍慰安婦」被害回復についての提言
  特集:侵略の傷跡−中国東北の現地調査から
5.特集:毒ガス・細菌戦の新資料
  特集:戦争体験記にみる「従軍慰安婦」
6.特集:ドイツにみる戦争責任・戦後責任
7.特集:外国にみる戦後処理問題
  特集:日本の朝鮮植民地支配
8.特集:15年戦争の諸相
9.特集:日本軍の捕虜政策
  特集:中国侵略と戦後補償
10.特集:戦後補償・賠償問題
11.特集:世界は戦後50年をどのように迎えたか
12.特集:韓国併合合法論をめぐって
13.特集:軍隊・戦争と性暴力
14.特集:資料公開・戦争展示を考える
15.特集:「自由主義史観」批判(1)
16.特集:「自由主義史観」批判(2)
  特集:戦後補償裁判の現状
17.特集:「自由主義史観」批判(3)
  特集:「慰安婦」問題を考える視点
18.特集:「自由主義史観」批判(4)
  特集:「自由主義史観」と「慰安婦」問題

戦争責任・戦後補償問題年表

82   教科書問題(「侵略」の「進出」への書換え、「南京大虐殺」の削除)。
84   南京事件調査研究会発足。12月13日、南京市歴史学会と交流会。
850815 中曽根首相、靖国神社を公式参拝。
850815 南京大虐殺紀念館、「侵華日軍第731部隊罪証陳列館」(ハルピン郊外の平房)、 開館。
860429 日本政府、天皇在位60周年記念式典を両国国技館で開催。
860815 「アジア、太平洋地域の戦争犠牲者に思いを馳せ、心に刻む集会」(第1回)、 大阪で開催。「趣意書=1985年8月15日、中曽根首相による靖国神社公式 参拝は、内外からの厳しい批判の声にさらされました。[以下略]」
870815 「南京大虐殺50周年集会」、南京大虐殺紀念館(侵華日軍南京大屠殺遇難同胞 紀念館)で開催。
870815 韓国独立紀念館、開館。
8804  竹原市大久野島毒ガス資料館、開館。
880919 昭和天皇、吐血。
881207 本島長崎市長、定例市議会で「天皇の戦争責任はある」と発言。昭和天皇の病気 回復祈願記帳所開設などをめぐる質問への答弁の中で。
890107 昭和天皇死去。
8903  「マレー半島南部戦争追体験の旅」。〜4月。広島から吉野誠・沼田鈴子ら5人 が参加。
890708 浄土真宗本願寺派安芸教区、第7回シンポジウム「平和を願う念仏者の集い」を 開設。テーマ「今、改めて戦争の悲惨さを見つめる」。
891121 ブッシュ米大統領、前年成立した「市民の自由法」(強制収容補償法)に基づく 賠償金の支払い実施に署名。
891215 原子爆弾被爆者等援護法案、参議院本会議で可決。
900419 ニューヨーク・タイムズ、広島平和資料館の展示をめぐる市民グループと右翼団 体との論争を紹介。
9008  中国新聞、「B・C級戦犯」の連載を開始。(91年まで245回)。
900829 サハリン残留韓国朝鮮人補償請求訴訟<東京>サハリンに強制連行された21人 が国に1人1000万円。以後、アジア各地の戦争犠牲者の訴訟が相次ぐ。
9010  米紙「プレイボーイ」10月号、「南京事件は作り話」との石原慎太郎のインタ ビュー発言を掲載。
901226 「追悼と公正のための中国人同盟」(本部ニューヨーク)、石原慎太郎の南京虐 殺作り話発言に反論する意見広告をニューヨークタイムスに掲載。
910227 浄土真宗本願寺派の宗会(最高議決機関)、太平洋戦争への協力を反省する「平 和決議」を採択。
9103  黒沢明、映画「八月の狂詩曲」の完成試写会の記者会見で外国人記者から「もっ と中国での虐殺などを描くべきだ」などの批判を受ける。
9105  日本軍強制収容所生存者協会(会員5万人、英国人で構成)、1人当たり1万ポ ンド(約240万円)の賠償を日本政府に要求する方針を決定。
9105  海部首相、シンガポールでの演説で戦争責任について公式に謝罪。
910524 海部首相、日韓首脳会談で在韓被爆者に40億円の支援を約束。
9106  A級戦犯の遺族4人に最高で年額約600万円の恩給が支払われていることが判 明。
9108  オーストラリア国立大学で「泰緬(タイ−ビルマ)鉄道に関する歴史討論会」開 催。日本軍に徴用された朝鮮人軍属も参加。
910803 「アジア太平洋地域戦後補償フォーラム」、東京で開催。〜4日。

9109  広島県内のアジアからの留学生の70%以上が原爆投下を肯定していることが創 価学会広島青年平和委員会のアンケート調査で判明。
910917 大阪国際平和センター(愛称、ピースおおさか)、開館。
910918 「9・18」事変(柳条湖事件(満州事変))陳列館、開館。
9112  日本の国会での不戦決議、まとまらず。
911207 ブッシュ米大統領、ホノルルでの真珠湾50周年記念式典に参列。
920118 宮沢首相訪韓。従軍慰安婦問題で公式に謝罪。
920415 川崎市平和館、開館。
920519 立命館大学国際平和ミュージアム、開館。
920727 広島国際文化財団の第1回「アジア記者招請プロジェクト」の記者5人、原爆資 料館を見学。
921209 日本の戦後補償に関する国際公聴会、東京で開催。〜10日。
9212  戦没者追悼平和祈念館の次年度予算が明らかになる。
9302  東京都、「平和記念館(仮称)」建設のために事業計画を含む調査費1億円を計 上。
930215 中国新聞、連載「亜細亜からアジア−ヒロシマ記者リポート」を開始。シンガポ ール、マレーシア、韓国、中国、台湾、インドネシア、フィリピン。〜6月6日。
930421 日本の戦争責任資料センター(仮称)設立準備会、東京都内で開催。
930801 埼玉県平和資料館、開館。
930804 日本政府、募集・管理で「強制」の事実を認める従軍慰安婦調査の報告書を発表。
930810 細川護煕首相、初の記者会見で、先の戦争について、「私自身は侵略戦争であっ た、間違った戦争であったと認識している」と語る。
930810 大内啓伍厚生大臣、戦争で負傷した韓国人などへの障害年金支給は極めて困難と 語る。
930814 「戦後補償国際フォーラム93」、東京で開催。日本政府に補償を求めて提訴し ているアジアの戦争犠牲者5団体が初めて揃って参加。
930815 細川首相式辞=「この機会に、改めてアジア近隣諸国をはじめ全世界すべての戦 争犠牲者とその遺族に対し、国境を越えて謹んで哀悼の意を表する」
930815 土井衆議院議長=「私たちの過ちによって惨たんたる犠牲を強いられたアジアの 人々との和解を私たちは手にしていない。生き残った者が何をなすべきかは明か であります。」
930815 新生党の4閣僚(藤井蔵相、熊谷通産省、畑農相、中西防衛庁長官)、靖国神社 を参拝。
930817 ジュネーブの国連欧州本部で開催されている国連人権委員会差別小委員会、従軍 慰安婦問題を取り上げる。
930820 韓国外相、ソウル新聞に寄稿し、日韓両国民の被害者と加害者の意識脱却を訴え る。
930822 橋本自民党政調会長、民放のテレビ番組で、細川首相の戦争責任発言を、補償に 過度の期待感をもたせると批判。
930823 細川首相所信表明演説(第127回国会衆議院)「過去のわが国の侵略行為や植 民地支配などが多くの人々に耐え難い苦しみと悲しみをもたらしたことに改めて 深い反省とおわびの気持ちを申し述べる」
930824 宮沢前首相、中国新聞とのインタビューの中で、細川首相の「侵略戦争」発言を 軽率と批判。
930825 細川首相、衆議院本会議で、戦後補償は決着済みとの認識を示す。
930906 山花社会党委員長、ソウル市内のホテルでの講演会で、戦争責任問題で誠意ある 補償措置が必要との考えを示す。
930907 毎日新聞社の調査で、アジア諸国での日本に対する賠償、補償要求の総額が約  150億円(対企業や準備段階のものを含めると約19兆円)に及ぶことが判明。

930910 モンデール新駐日米大使、ミネソタ州セントポールで、細川首相が国会の所信表 明で第二次世界大戦の侵略行為を謝罪したことを高く評価する発言。
930910 日本の戦争責任資料センター、会誌「季刊・戦争責任研究」を創刊。
931215 日本の戦争責任資料センター、会報「Let’s」を創刊。
940505 永野茂門法相、毎日新聞紙上で、「南京事件はでっちあげ」と発言。7日、辞任。
940519 熊谷官房長官、6月10日からの天皇・皇后の訪米で検討されていたハワイ・真 珠湾のアリゾナ記念館訪問を見送る方針を明らかにする。
9407  創価学会広島学生平和委員会の調査でアジアからの留学生の53%が原爆投下を 肯定的にとらえていることが判明。
940812 桜井新環境庁長官、日本が「侵略戦争をしようと思ってたたかったのではない」 「むしろ、アジアはそのおかげでヨーロッパ支配の植民地支配からほとんどの国 が独立した」と発言。15日更迭。
940830 福山市人権平和資料館、開館。
940831 政府、戦後50周年に向け対外的な戦後処理問題への基本方針を示した村山首相 談話を発表。10年間で1000億円規模の平和友好交流計画事業(歴史研究支 援、交流事業、アジア歴史資料センターの設立など)を予定。
940906 日本共産党、見解「侵略戦争の反省のうえにたち、戦後補償のすみやかな解決を」 を発表。
94   「終戦50周年国民運動実行委員会」(神社本庁・日本を守る国民会議・英霊にこ たえる会などで構成)、侵略戦争美化の決議を地方議会に働きかける。
9410  愛媛県議会で侵略戦争美化決議案を提案する動きが判明。3日見送りが決まる。 滋賀県議会では決議。
941024 橋本龍太郎通産大臣、第二次世界大戦での日本の戦争が「侵略戦争といいえたか どうか疑問」と発言。辞任・更迭なし。
941125 国連総会第6委員会、国連憲章の旧敵国条項の削除を検討を求める決議案を採択。 反対はゼロ、北朝鮮は棄権。
941129 クリントン米大統領、12月7日を「真珠湾追憶の日」に制定する布告を出す。
9411  アジア歴史センターの設立を検討するための有識者会議が発足。
941209 愛媛県議会、「先の大戦における戦没者への追悼と恒久平和に関する決議(案) を可決。千葉県議会(13日)・岐阜県議会(15日)など同様の侵略戦争美化 決議が相次ぐ。
950108 平山郁夫日中友好協会会長ら、中国・南京市を訪問。同協会が戦後50周年の記 念事業として日中戦争で破壊された南京城壁の修復に協力することが決まる。
9502  月刊誌『マルコポーロ』二月号、「アウシュビッツのガス室はなく、ナチスのユ ダヤ人大虐殺(ホロコースト)はなかった」とする記事を掲載。
950315 本島等長崎市長・平岡敬広島市長、外国人記者クラブで講演。
950316 奥野亮「戦後50周年国会議員連盟」会長、「私達が戦ったのは米英であってア ジアではない」と発言。
950319 中曽根康弘、「原爆投下の方が真珠湾より罪深い」と発言。
950503 荒井信一・大江健三郎・和田春樹ら71名、「戦後50周年国会決議についての 声明」を発表。
950508 「戦後50周年国際平和アピール日本委員会」、国際アピールを発表。
950513 −14日。「アジア・太平洋地域の戦争犠牲者に思いを馳せ、心に刻む会」・ 「日本戦争責任資料センター」、共同で「私の謝罪電話」を開設。267件の電 話。
950609 衆議院、「戦後50年決議」を新進党欠席のまま採択。
950623 沖縄の「平和の礎」除幕式。
950628 スミソニアン博物館の「エノラ・ゲイ」展、開始。
950708 米ワシントンのアメリカン大学で原爆展。
950719 「女性のためのアジア平和国民基金」発足。
950725 韓国ソウルで「侵略と原爆展」始まる。
950731 これまでに26県議会・81市町村議会が「戦後50年決議」。うち、加害責任 の言及したのは長野県議会だけ。
950809 島村文相、「侵略か侵略でないかは考え方の問題」と発言。
950815 「終戦記念日」にあたり村山首相談話。「国策誤り侵略」と初めて明言。「個人 補償」については否定。
950815 韓国ソウルの旧総督府撤去開始。
950815 「民間基金」受付開始。
950830 北京・世界女性会議開幕に先立ち、NGOフォーラム開始。
950922 厚生省、「平和祈念館」で「歴史的展示」を断念。建物デザインも全面変更。
950930 日本政府調査団、中国の旧日本軍化学兵器砲弾104発を確認。
951012 村山首相の「併合条約は合法」発言に、韓国・北朝鮮が反発。13日、「日韓併 合は平等でなかった」と発言を修正。
951016 韓国国会、日韓併合条約は「根元的に無効」とする対日要求決議。
951017 河野外相の「分断、日本に責任ない」との発言に韓国が一斉反発。
951108 韓国・東亜日報、江藤総務庁長官が10月11日のオフレコ記者懇談で「植民地 時代に日本はよいこともした」と述べたと報道。13日、江藤長官、辞任。
951115 日韓外相会談で、日韓共同歴史研究支援で合意。
951211 国連総会で「旧敵国条項」削除の手続きを開始する決議を採択。
951218 政府主催「戦後50年を記念する集い」、国立劇場で開催。
960111 橋本龍太郎内閣誕生。
960205 国連人権委員会の「女性に対する暴力特別報告官」ラディカ・クマラスワミ、報 告書を公表。日本政府に6項目の勧告。
960208 台湾政府外交部、国家責任回避の「国民基金」に反対との見解を表明。
960401 長崎原爆資料館が開館。加害展示内容に賛否。
960415 元「慰安婦」に対する「国民基金」に台湾の国会議員の8割が反対を表明。
960419 国連人権委員会、従軍慰安婦問題を含むクマラスワミ特別報告者の「女性に対す る暴力」報告書について、「報告者の活動を歓迎し、報告を留意する」との決議 を全会一致で採択。
960503 「女性のためのアジア平和国民基金」呼びかけ人三木睦子、「国家補償はしない との政府の姿勢に落胆」として辞任。
960604 「アジア女性基金」、元「慰安婦」への「償い金」200万円以上で合意。首相 の「おわびの手紙」も。
960604 奥野元法相、「明るい日本」議員連盟結成で、「慰安婦は商行為」発言。
960620 韓国の国会議員191名、「国民基金」中止とクマラスワミ勧告受入を求める声 明を発表。
960627 中学校で使われる教科書の検定で社会科7社全てが「慰安婦」記載。
960814 「アジア女性基金」、200万円の「償い金」をフィリピン人元「慰安婦」4人 に支給。
960815 橋本首相、戦没者追悼式で、アジアへ「深い反省と哀悼の意」。
960822 フィリピン下院が「慰安婦」問題についての合同公聴会開催。
961203 米司法省、旧731部隊員・「慰安婦」関係者など16人を入国禁止に。
961204 「新しい歴史教科書をつくる会」発足。「従軍慰安婦」削除を要求。
961208 南京の惨状を詳細にヒトラーに報告したナチ現地幹部J・ラーベの報告書発見。
961219 岡山県議会、「慰安婦」記述削除決議を「趣旨採択」。
970111 インドネシアの「慰安婦」問題で「償い事業決着」。50か所に高齢者福祉施設。
970111 元「慰安婦」に対する「償い金」、韓国で7人に支給。韓国外務省、遺憾の意を 表明。
970113 江藤隆美元総務庁長官、朝鮮半島の植民地支配に関し、「町村合併と差はない」 と発言。
970115 「国民基金」、フィリピンでの医療・福祉事業を実施することで両国政府と合意。
970121 「新しい歴史教科書をつくる会」よびかけ人、小杉隆文相に「慰安婦」削除を要 求。文相、退ける。
970124 梶山静六官房長官、「慰安婦」問題では事態背景考慮を、と発言。
970402 愛媛県の靖国神社への玉串料支出に対し最高裁違憲判決。
970502 「国民基金」、台湾で支給事業開始。
970624 大阪国際平和センターで侵略に関する展示の一部を撤去または修正へ。
970708 香川県議会、「慰安婦」教科書記述削除決議採択。
970715 日韓歴史共同研究(日本側代表:須之部量三、韓国側代表:池明観)、初会合。
970728 鎌倉・藤沢などで開催予定の日中戦争をめぐる平和展、右翼の抗議で中止に。
970829 家永教科書裁判結審。「731部隊」関係記述の検定を新たに違法と認定。

戦没者平和祈念館をめぐる動き

7912  日本遺族会、「戦役者遺児記念館(仮称)」建設の要望提出。
80   厚生省、1980年度から5年間、日本遺族会に対し、「戦役者遺児記念館(仮 称)」に係る調査費として累計7800万円を計上。
841031 日本遺族会の委員会(座長‥三輪良雄元防衛事務次官)、「戦争に対する総合的 な研究及び展示を行う戦争歴史館(平和祈念総合センター)を約6万坪の国有地 に建設すること」を厚生大臣に勧告する報告書をまとめる。
841221 戦後処理問題懇談会(1982年6月、総理府総務長官の諮問機関として設置)、 戦争犠牲者慰撫のための特別基金創設などを提唱した報告書を内閣官房長官に提 出。
8507  厚生省、大臣の諮問機関として「戦役者遺児祈念館に関する懇談会」(向坊隆座 長)を設置。
8712  戦没者遺児記念館に関する懇談会、「戦役者遺児記念館(仮称)の設置について (中間報告)」を発表。
8807  遺児記念館資料専門家会合(秦郁彦座長)、設置。
9010  遺児記念館資料基本計画案検討委員会(八木哲夫座長)、設置。
9102  遺児記念館資料収集準備委員会(泰郁彦座長)、設置。
921223 局長予算復活折衝で国立平和記念館(仮称)の93年度事業費として20億68 00万円の計上を決定。完成予定は1995年で総工費は123億円。
930511 佐々木典夫厚生省審議官、参議院厚生委員会で、「戦役者追悼平和祈念館」に戦 争加害の面も精神として入れられないかとの質問に対し、「アジアへの謝罪が目 的ではない」と答弁。
930629 荒井信一・和日春樹・高崎宗司ら35人、「戦役者追悼平和祈念館」の計画凍結 を求める声明を発表。
930918 「戦役者追悼平和祈念館」問題を考える会、「シンポジウム−戦争博物館、平和 祈念館の現状と展望を東京で開催。
9401  戦没者追悼平和祈念館企画検討委員会の初会合。
940215 厚生省、「戦没者追悼平和祈念館」(仮称)の「展示テーマ(案)」を公表。
9409  細谷千博、「(厚生省との)歴史観の違いについていけない」という理由で企画 検討委員を辞職。
950123 厚生省、「戦没者追悼平和祈念館」構想を撤回、第二次世界大戦の通史展示など をやめ、「戦没者遺児記念館」に変更すると表明。これに対し、企画検討委員会 のメンバーの一部が抗議、辞意を表明。
950221 厚生省社会援護局長、平和祈念館の平成7年度中の完成を断念、建設計画を9年 度まで2年間延長する考えを示す。

吉田裕:日本人の戦争観−戦後史のなかの変容、岩波書店、1995。

1952年講和条約前後−ダブル・スタンダードが成立
対外的=講和条約第11条で東京裁判の判決を受諾するという形で必要最小限度 の戦争責任を認めることによってアメリカの同盟者としての地位を獲得 する。
対内的=戦争責任の問題を事実上、否定、あるいは不問に付す。
高度成長期−戦争体験の「風化」
1963 政府主催全国戦没者追悼式(第1回)
1965 米軍の北爆(ベトナム)開始(2月)
1965 日韓基本条約(6月調印、12月批准)
1972 日中共同声明(9月)
1970年代−経済大国化のなかの変容
1980年代−ダブル・スタンダードの動揺
現在そして将来−歴史からの逃避



参考文献

* 田口裕史:戦後世代の戦争責任をめぐって、季刊戦争責任研究第13号(1996年 秋季号)、戦争責任資料センター。
*「戦後50年」調査プロジェクト:世界のテレビは戦後50周年をどう伝えたか、放送 研究と調査(10月号)、NHK放送文化研究所、1996。

1. 岩松繁俊:反核と戦争責任、三一書房、1982。
2. 江口宣・小田実・高史明・本島他:アジアから見たナガサキ−被害と加害、岩波書店(ブックレット)、1990。
3. 栗原貞子:問われるヒロシマ、三一書房、1992。
4. 荒井新一編:戦争博物館(岩波ブックレット)、1994。
5. 歴史教育者協議会編:平和博物館・戦争資料館ガイドブック、青木書店、1995。
6. 西田勝・平和研究室編:世界の平和博物館、日本図書センター、1995。
7. 広島県マスコミ文化共闘会議・中国新聞労組:被爆50年・戦後50年ヒロシマで考  えた−マスコミ労組学習会報告集、1996。